事前公表時により正確な逆算を行う為に必要なポイントをまとめました。
WEBラーニング積算編とあわせて、みつもりくんieZEROを使用する際に参考にしていただければ幸いです。
みつもりくんieZEROのポイント
みつもりくんieZEROでは目標とする「予定価格(税抜き)」になるように、
「共通費」「工期」「各共通費の積上金額」
「建築・電気・機械の複合工事の場合の主たる工事以外」
「経費要素」「有価売却費」「端数調整(工事価格)」
の条件を基に「主たる工事の直接工事費」を求めています。
次の項目に注意することで事前公表の精度を上げることができます。
事前公表のポイント
- 「共通費 主たる工事」の選択
- 「経費要素」の積算
- 「各共通費の積上金額」の積算
- 「建築・電気・機械の複合工事の場合の主たる工事以外」の積算
- 工事価格の端数調整
- 工期の設定
- その他経費計算要素
- 最低価格基準
共通費 主たる工事の選択
みつもりくんieZEROでの物件作成時、「積算仕様の選択」で正しい共通費を設定する必要があります。

共通費について
国交省の公共建築工事共通費積算基準(令和5年改定版)と公共建築工事共通費積算基準(平成28年改定版)、公共住宅事業者等連絡協議会の共通費基準に対応しています。
発注者や物件によって、国交省基準なのか事連協基準なのか、国交省基準の場合は何年度の基準を使用しているかが異なります。
確認のうえ間違いのない基準を選択する必要があります。
公共建築工事共通費積算基準(令和5年改定版)
- 建築工事
- 電気設備工事
- 機械設備工事
- 昇降機設備工事
•公共建築工事共通費積算基準(平成28年改定)
- 建築工事
- 電気設備工事
- 機械設備工事
- 昇降機設備工事
事連協(公共住宅事業者等連絡協議会)(平成28年改定)
- 公共住宅建築工事
- 公共住宅電気設備工事
- 公共住宅機械設備工事
- 公共住宅屋外整備工事
- 公共住宅エレベーター設備工事
- 公共住宅テレビ電波障害防除設備工事
国交省基準の共通費算定式については国交省のwebページで、事連協の共通費算定式については刊行物のにてそれぞれ確認できます。
共通費算定式については、ヘルプのこちらからも確認することができます。
共通費 主たる工事の選択
共通費基準と年度の確認後は主たる工事と新営改修区分を選択する必要があります。
主たる工事とは建築工事、電気設備工事、機械設備工事及び昇降機設備工事のいずれかになります。
(国交省基準の場合)複合工事の場合は金額の割合が多い工事になります。

共通費 新営改修区分の選択
新営改修区分を選択します。
新営と改修の複合工事の場合は金額の割合が多い工事になります。
(事連協基準の場合は新営改修の区分はありません。)
みつもりくんieZEROでは主たる工事の直接工事費のみを逆算で算出します。

共通費の選択例
共通費 主たる工事の選択例です。適用する共通費費基準についての情報を確認します。
発注者によっては「図.1」のように適用する基準をWEBページなどで公開しています。
「図.1」であれば、「公共建築工事共通費積算基準(平成28年12月)」とありますので、国交省2017年となります。
続けて物件の工事名称などから、主たる工事と新営改修区分を推察します。「図.2」であれば機械設備工事の改修工事となります。
以下早見表を参照ください。
「図.1」


「図.2」


共通費 早見表 建築工事

共通費 早見表 電気設備工事

共通費 早見表 機械設備工事

共通費 早見表 昇降機設備工事他

経費要素の積算
「発生材処分費」「その他工事」「経費対象外」などの項目は特殊な率計算を行います。
経費要素の金額が異なると、直接工事費や共通費の金額が変わります。
「経費要素」の単価については積算して求める必要があります。
また「共通費(主たる工事)」で選択した共通費によって経費要素は異なります。
直接工事費・経費逆算画面にて単価を入力します。

各共通費の積上金額の積算
共通費には算定式で算出される単価と、積上げにより算定する単価があります。
みつもりくんieZEROでは算定式による単価は逆算によって算出しますが、積上げにより算定する単価については積算して求める必要があります。
建築工事・電気設備工事・機械設備工事・昇降機設備工事等、工種毎に共通仮設費積上・現場管理費積上・一般管理費等の積上があります。
直接工事費・経費逆算画面にて単価を入力します。

「建築・電気・機械の複合工事の場合の主たる工事以外」の積算
みつもりくんieZEROでは、選択した「共通費 主たる工事」の直接工事費を逆算によって算出します。 建築・電気・機械の複合工事の場合の主たる工事以外の直接工事費についてはは積算して求める必要があります。
直接工事費・経費逆算画面にて単価を入力します。

工事価格の端数調整
公共建築工事積算基準等資料には、「工事価格の有効桁が上位4桁、一千万円未満の場合は一万円単位となるように一般管理費等で調整する。」という記述があります。
一般管理費で調整される工事価格の端数調整金額は事前公表の時点では分かりませんが、考慮する必要があります。

直接工事費・経費逆算の他項目タブより、工事価格の丸め設定に応じて[他項目]のタブの端数調整(工事価格)に「最大値」「中間値」「最小値」が表示されます。
任意の金額を入力したい場合は「手入力」を選択し値を入力してください。
「最大値」が最低制限価格を下回るリスクが一番低くなりますが、競合となった場合に競り負ける確率が高くなってしまいます。
逆に「最小値」は競合となった場合には競り勝てる確率が高くなりますが、最低制限価格を下回るリスクが高くなります。
案件に応じて設定を行ってください。

また、工事価格の端数調整桁についても発注者によって異なりますので注意が必要です。
工期の設定
工期によっても経費計算結果が異なります。工期を正しく入力する必要があります。
設計書等に具体的な工期が指定されている場合は工期を入力します。


設計書等に具体的な工期が指定されていない場合は、契約予定日と工期末から工期を算出する必要があります。
契約予定日と工期末から工期を算出する場合は、開札から契約までを考慮し日数を減じることがありますので注意が必要です。

その他経費計算要素
共通仮設費
共通仮設費の計算時には「監理事務所設置の有無」についても、必要に応じて設定します。
※「国交省 2023年」と「国交省 2017年」では補正率が異なります。「事連協」には設定がありません。

現場管理費
現場管理費の計算時には「労災保険料の有無」についても、必要に応じて設定します。
※「国交省 2023年」では手動で任意の率を入力する必要があります。

一般管理費等
一般管理費等の計算時には「前払金支出割合区分」「契約保証費」「資力確保費用」についても、必要に応じて設定します。

開示資料との比較
実際の開示結果と比較してみます。
予定価格が\79,170,000の物件となります。
経費要素・工期・工事価格の端数調整などは以下の通りです。

| 予定価格 | \79,170,000 |
| 共通費 | 国交省 2017年 機械設備 改修工事 |
| 経費要素 | その他工事 \730,000 |
| 発生材処分費 \99,900 | |
| 率対象外 \921 | |
| 主たる工事以外の直接工事費 | 建築 改修工事 \7,022,113 |
| 工期 | 4.5 |
| 工事価格の端数調整 | ▲\8,583 |
工期のみ一致の場合
工期を4.5か月で設定。経費要素項目の積算はせずに、全て機械設備工事改修工事として逆算します。

差額
| 直接工事費 | ¥1,513,432 |
| 共通仮設費 | ▲¥248,718 |
| 現場管理費 | ▲¥1,263,558 |
| 一般管理費等 | ▲¥1,157 |
工事価格の端数調整以外一致
工期を4.5か月で設定。経費要素はすべて積算し設定して逆算。

差額
| 直接工事費 | ¥1,140 |
| 共通仮設費 | ¥23 |
| 現場管理費 | ¥96 |
| 一般管理費等 | ▲¥1,259 |
工事価格は同じでも、経費要素を積算し単価を入力すると差額が少なく精度が高い事が分かります。
工事価格の端数調整含め一致
本来、開示前には分かりませんが、工事価格の端数調整も開示結果と同じ単価を入力すると、誤差なく逆算を行えます。

差額
| 直接工事費 | ¥0 |
| 共通仮設費 | ¥0 |
| 現場管理費 | ¥0 |
| 一般管理費等 | ¥0 |
最低価格基準
みつもりくんieZEROでは、国交省の2019年と2022年、防衛省の2019年と2022年の最低価格基準を搭載しています。
発注者によって採用している最低価格基準が異なりますので、確認のうえ間違いのない基準を選択する必要があります。

国交省基準
2019年と2022年では一般管理費等に乗じる値が異なります。
国交省のwebページにて確認することができます。
ヘルプのこちらからも確認することができます。

国交省/防衛省(現場管理費相当額10%/20%)
国交省と防衛省の現場管理費相当額10%または20%では、乗じる値や範囲については前述の国交省と同じですが、最低価格基準の計算時に、基準価格算出時の「直接工事費」については「直接工事費-現場管理費相当額A」とし、「現場管理費」については「現場管理費+現場管理費相当額A」として取り扱います。
国交省・防衛省のwebページにて確認することができます。
ヘルプのこちらからも確認することができます。


その他最低価格基準の設定
発注者により丸め・乗率・範囲を独自に規定していたり、ランダム係数を規定している場合があります。[設定変更]ボタンをクリックすると設定を変更することができます。
また[マスタ登録]でその設定を登録することもできます。

開示結果との比較
発注者にあわせた最低価格基準を選択や設定することができれば、最低価格についても精度の高いシミュレーションを行うことができます。


まとめ
みつもりくんieZEROを使用すれば「予定価格(税抜き)」を入力し、共通費・工期・最低制限価格を設定すれば、最低価格を求めることはできます。
ただし発注者や物件の基準に沿っていないと、精度の高い最低価格を求めることはできません。
事前公表であっても、発注者の積算基準を把握することが重要になります。
各ポイントを意識し、 「積算根拠」に則った積算を行う事で、精度を向上することができます。